【2027年3月開始】OTC類似薬で薬代が上がる?対象薬・追加負担・対象外になる人をわかりやすく解説

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「いつも病院でもらっている薬が、来年から高くなる?」

そんなニュースを見て、不安になった人もいるかもしれません。

2027年3月1日から、市販薬と成分などが共通する一部の処方薬について、患者の負担方法が変わります。

対象となる薬では、これまでの保険診療の自己負担とは別に、薬剤費の4分の1に相当する「特別の料金」が発生する仕組みです。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。

OTC類似薬がすべて保険適用外になるわけではありません。

病院で処方してもらえなくなる制度でもありません。また、子どもや一定の病気の治療など、追加負担の対象外となるケースもあります。

この記事では、制度の仕組みから対象となる薬、実際の負担額、対象外になる人まで、初めて聞く人にもわかるように解説します。

2027年3月から何が変わる?まずは結論

今回の制度変更で押さえたいポイントは、次の3つです。

  • 開始日は2027年3月1日
  • 対象となる一部の処方薬に、薬剤費の4分の1に相当する特別料金が発生する
  • 対象薬でも保険診療の仕組みは残り、一定の場合には特別料金がかからない

つまり、病院で薬を処方してもらうこと自体が禁止されるのではなく、一部の薬について患者が支払う金額の計算方法が変わるということです。

今回の見直しは、2026年5月29日に成立し、6月5日に公布された「健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)」に基づいています。

施行日は2027年3月1日です。

厚生労働省は2026年9月30日に、対象医薬品や追加負担が発生しない場合など、制度の詳細を公表・更新しています。

そもそも「OTC類似薬」とは?

「OTC」という言葉は、普段の生活ではあまり聞かないかもしれません。

OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで、医師の処方箋なしに購入できる医薬品のことです。

たとえば、風邪の症状を和らげる薬、痛み止め、便秘薬、アレルギー症状に使う薬など、身近な市販薬にもさまざまな種類があります。

一方、病院で診察を受け、医師から処方される医療用医薬品の中にも、市販薬と同じ成分を使ったものがあります。

こうした薬のうち、今回の制度で指定されたものが対象になります。

市販薬と似ていれば、全部対象なの?

いいえ。そうではありません。

今回の制度では、OTC医薬品と次の条件が一致する医療用医薬品などについて、対象品目が指定されています。

  • 成分が同じ
  • 投与経路が同じ
  • 一日の最大用量が異ならない

投与経路とは、飲み薬なのか、塗り薬なのかなど、薬を体に取り入れる方法のことです。

ただし、これらの条件を見て、患者自身が対象かどうかを決められるわけではありません。

実際に対象となる薬は、厚生労働省が公開している「対象医薬品リスト」で確認する必要があります。

どんな薬が対象になる?

今回の見直しでは、普段の診療でも使われる身近な薬の成分が含まれています。

代表的な例を見てみましょう。

解熱鎮痛薬

痛みや熱を抑える薬です。

対象成分の例として、ロキソプロフェンナトリウム水和物やイブプロフェンなどがあります。

頭痛や腰痛などで処方薬を使っている人にとっても、気になる分野でしょう。

去痰薬

痰を出しやすくする薬です。

L-カルボシステインなどが対象成分の例として挙げられています。

便秘薬

便秘の改善に使われる薬です。

酸化マグネシウムなどが含まれます。

抗アレルギー薬

花粉症などのアレルギー症状に使われる薬です。

フェキソフェナジン塩酸塩やロラタジンなどが対象成分の例です。

皮膚に使う薬

保湿などの目的で処方されるヘパリン類似物質も、対象成分の例に含まれています。

ただし、ここに名前が出た成分を含む薬が、どんな場合でも必ず追加負担になるわけではありません。

製品ごとの指定や使用目的、患者の状況によって扱いが変わる場合があります。

薬代はいくら増える?追加負担の計算方法

今回の制度で特に注意したいのが、患者負担の計算方法です。

「薬代が25%値上げされる」と説明されることがありますが、正確ではありません。

対象薬の薬剤費の4分の1に相当する額が「特別の料金」となり、残りの保険対象部分について通常の自己負担割合が適用されます。

そのため、現在の自己負担額に薬価の25%を単純に足す計算ではありません。

厚生労働省の計算例

厚生労働省が示している例では、次のようになります。

特別の料金:250円

保険対象となる費用:600円

患者の自己負担割合が3割の場合、保険対象部分の負担は、

600円 × 30% = 180円

です。

したがって、

250円 + 180円 = 430円

となります。

この430円は、あくまで制度の計算方法を説明するための例です。

どの薬でも430円になるわけではありません。

実際の金額は、処方された薬の種類、量、日数、自己負担割合などによって異なります。また、診察料や調剤に関する費用などが別途発生する場合もあります。

なお、特別の料金に対する消費税の取扱いについては、厚生労働省の2026年9月30日時点の資料では今後の検討事項とされています。

追加負担にならない人・ケースは?

今回の制度で重要なのが、対象薬を使っても、特別の料金がかからない場合があるという点です。

厚生労働省は、対象外となる場合を9類型示しています。

① 子ども

18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもは、特別の料金の対象外です。

たとえば18歳になった直後に一律で対象になるわけではなく、年度末までの年齢条件が設けられています。

② がん治療に関係する場合

がん治療、またはがん治療に関連して生じた状態に対して対象薬を使用する場合です。

ただし、がん患者であれば、どんな目的で処方された薬でも無条件に対象外になる、という意味ではありません。

③ 指定難病・小児慢性特定疾病などの場合

指定難病や、一定の年齢条件を満たす小児慢性特定疾病などに関係して対象薬を使用する場合です。

病気との関連性や制度上の条件があります。

④ 国の公費負担医療で使用する場合

国の公費負担医療の対象として薬を使用する場合です。

自治体独自の助成制度などを含め、すべての医療費助成が同じ扱いになると決めつけないよう注意が必要です。

⑤ 入院中に使用する場合

入院中に使用する対象薬は、特別の料金の対象外です。

退院時の処方も含まれます。

⑥ 検査・処置・手術に伴って使用する場合

体への侵襲を伴う検査や処置、手術に伴って対象薬を使用する場合です。

原則として、検査などの後14日以内という条件があります。

⑦ 長期使用が医療上必要な場合

年間を通じて症状が続いていることや、治療の継続性などを医師が確認し、長期使用が医療上必要と認める場合です。

単に「以前から飲んでいる」というだけで、自動的に対象外になるわけではありません。

⑧ 市販薬では対応できない症状に使う場合

似た成分の市販薬があっても、その市販薬に認められている効能・効果では対応できない病気や症状があります。

そうした場合に医療用医薬品を使うときは、特別の料金の対象外となることがあります。

⑨ 妊娠中・授乳中などに特定の薬を使う場合

妊婦、妊娠している可能性がある人、授乳婦が、指定された対象医薬品を使用する場合です。

すべての薬が無条件に対象外となるわけではなく、対象医薬品などの条件があります。

対象外に当てはまるかどうかは、薬の種類だけでなく、病気や治療の状況も関係します。

判断に迷う場合は、医師や薬剤師に確認してください。

同じ薬でも追加負担が変わる?フェキソフェナジンの例

少し意外かもしれませんが、同じ成分を含む薬でも、使用する目的によって扱いが変わる場合があります。

例として、アレルギー症状に使われるフェキソフェナジンがあります。

この成分を含む市販薬もありますが、市販薬に認められている効能・効果と、医療用医薬品の効能・効果は必ずしも同じではありません。

厚生労働省は、市販薬では対応できない蕁麻疹や一定の皮膚疾患などに医療用フェキソフェナジンを使用する場合について、特別の料金の対象外となる例を示しています。

つまり、薬の名前だけを見て「自分も必ず追加負担になる」と判断するのは早いということです。

OTC類似薬は保険適用外になるの?

ここは特に誤解されやすいポイントです。

今回の制度は、対象となるOTC類似薬を一律に保険適用外にするものではありません。

対象薬の費用の一部を「特別の料金」として患者が負担し、それ以外の部分には保険診療の仕組みが残ります。

そのため、

「OTC類似薬は全部自費になる」

「病院で処方してもらえなくなる」

という理解は正しくありません。

また、必要な受診を制限する制度でもありません。

症状が続いている場合や、病気が心配な場合には、これまでどおり医療機関に相談できます。

病院に行くより市販薬を買った方がいい?

今回の制度を知ると、「それなら病院に行かず、ドラッグストアで薬を買った方が安いのでは?」と思う人もいるでしょう。

ただし、金額だけで判断するのはおすすめできません。

市販薬と処方薬では、認められている効能・効果、用法・用量などが異なる場合があります。

また、同じように見える症状でも、別の病気が隠れている可能性があります。

医師から継続して処方されている薬を、自己判断で中止したり、市販薬に切り替えたりすることは避けてください。

今回の制度変更は、必要な診察や治療を受けてはいけないという意味ではありません。

自分が飲んでいる薬はどうなる?確認方法は3つ

では、私たちは制度が始まるまでに何をしておけばよいのでしょうか。

難しい準備は必要ありません。

1.お薬手帳で薬の名前を確認する

まずは、普段処方されている薬の名前を確認しましょう。

お薬手帳や薬局でもらう薬の説明書に、製品名や成分などが記載されています。

2.厚生労働省の対象医薬品リストを見る

次に、厚生労働省が公開している対象医薬品リストを確認します。

成分名だけでなく、製品名や規格なども確認することが大切です。

ただし、リストに載っているからといって、すべての処方で必ず特別の料金が発生するわけではありません。

3.分からないことは医師・薬剤師に相談する

特に、長期間同じ薬を使っている人や、持病の治療で薬を使っている人は、次回の診察や薬局で相談するとよいでしょう。

「この薬は2027年3月から追加負担の対象になりますか?」

と聞くだけでも、確認のきっかけになります。

まとめ|薬代の変更を知って、必要な治療は続けよう

2027年3月1日から、一部のOTC類似薬について患者負担の仕組みが変わります。

今回のポイントを振り返りましょう。

  • 対象となる一部の処方薬で、薬剤費の4分の1に相当する特別の料金が発生する
  • 対象薬がすべて保険適用外になるわけではない
  • 子どもや一定の治療・使用場面など、追加負担の対象外となるケースがある
  • 薬の名前だけでなく、使用目的や患者の状況によって扱いが変わる場合がある
  • 必要な受診や治療をためらう必要はない

一番大切なのは、「薬代が上がるらしい」というニュースだけで、自己判断して薬をやめないことです。

まずは自分が使っている薬を確認し、気になることがあれば医師や薬剤師に相談しましょう。

制度の詳細は今後更新される可能性もあります。最新情報は厚生労働省の発表で確認してください。

参考・出典

厚生労働省「OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて(OTC類似薬の一部保険外療養)」

OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて(OTC類似薬の一部保険外療養)
OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて(OTC類似薬の一部保険外療養)紹介しています。

厚生労働省「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」(2025年12月25日)

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001629737.pdf

厚生労働省「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会について」(2026年6月18日)

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001712850.pdf

健康保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第31号)

※制度情報は2026年10月時点の公表資料に基づいています。

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